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2011/05/09

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.8

この旅では、20人の踊り子さんによるステージ、4つの劇場で観劇した。
数字というのは残酷だ。これは奇行と言わざるをえない。

今は日常に戻り、抜け殻のような心を抱えている。完全に風がやんだ。
心の感覚が戻るまで、意味とか、これからのことは考えないでおこう。

大きな声では言えない生涯初の生涯忘れることのない旅となった。

一見いかがわしさムンムンのストリップ小屋、その中を目を凝らすと色々な光景があって、
情がある実に人間くさい空間。
業界全体が衰退の一途をたどる中、頑張って長生きしてほしい。できれば僕の老後まで。

素敵なステージで魅せてくれた全ての踊り子さん、どうもありがとうございました。
そして、最高の酒空間にいざなってくれた、カルロス氏、T氏、酒場で出会った全ての人に最大級の感謝を!
この時間がなければ、旅で吸収した様々なエナジーに心が溢れダウンし、旅は早期終了していたと思われます。
また盃を交わしましょう。

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.7

お目当ての踊り子さんがお二方。やはり本場はブッキングが熱い。

まずお一人。中世東洋(?)のきらびやかな衣装での剣舞。
センスを感じる衣装、役に入り込んだ表情、迫力の剣撃。目が離せなくなる。
脱ぐ前で、すでにすごい。でも脱ぐからさらにすごい。

もうお一人は日舞。日舞は好き。踊りもすごいや。

そして、この方は笑顔がオープンマインド、気持ちがこぼれてる。実に素敵。

実に楽しそうな、ナイススマイルな踊り子さんは、それだけですでに素晴らしいと僕は思ってる。
笑顔っていいよな。平和だ。

かつて、とある踊り子さんの御開帳ショーで、無意識に笑顔見てたら、その方、
自分の股関を指差して、こっちでしょ?的な笑顔で注意されたっけ。
その時にはっと気づかされた。印象深いエピソード。

二回目は幸運なことに、かぶりつきで観劇できた。
やはり、かぶりつきは別世界。臨場感が半端ない。
やはり、ストリップ は五感全てで取り入れるものだからか。
かぶりつきの椅子取りゲームが熾烈なのも当然だ。

さらに、この劇場の盆は回転するだけでなく、上昇するハイテク盆。臨場感がプラス。

ここは素晴らしいハコだと思う。ここで、好きな演目をかぶりつきで見たら、どうなるんだろう。

ストリップは複雑で、劇場、設備、裏方さん、座席などによるステージの変動の振れ幅は、音楽以上だ。
見る側としては、これらも考慮したいとろ。やはり、できるだけうまい飯が食べたいのだ。



連日これだけ高エナジーのライブを浴びると、頭の感覚が痺れてくる。
限界近い。こんなの初めてだ。

外出して、劇場そばのB.Y.Gというロックバーで食事休憩。味のある空間。
劇場の周りにはなぜか魅力店が多い。

三回公演が終った後、痺れ切った頭の奥から、指令がくる。「梅と鶯」。
気づいたら池袋の劇場に行くことに頭の深淵に潜む意思が勝手に決めていた。

渋谷の劇場を後に。いつかまた来る。

まだ最後の公演に間に合う。少し急いで池袋へ。
もう見たいとか見たくないとか表層的な感情は消え、奥の方から沸き起こる信号に委ねて半自動運転。
狂気に駆られていたのか。

ストリップは一日四回公演、十日間興行。
お金と時間と体力さえあれば、最高10デイズ公演まで拡張可能だ。

ある日、素晴らしい名作に出会うとする。楽日でなければ、それが明日も確実に見れるのだ。
まだ6回しか見てない。まだ作品を味わい足りない。DVD化されることはまずない。
素通りできない。ゆえにライブハウスへ。

自分の頭の中に残っている演目のイメージ。
それをもっと鮮明にしたい。それが理由のような気がする。
もっと右脳のイメージ機能が高性能だったならよかったのに。

そして、池袋の劇場へ。なんとか間に合った。

「梅とうぐいす」。おそらく人生最後の。そのつもりで観た。振り絞って観た。

最期に記念撮影して、お礼を言って帰る。ろくなことが言えない。

さあ、もう後は日常に戻るだけだ。

2011/05/08

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.6

目覚め。中程度の二日酔い。活動に大きな支障はないが、きつい。でも、楽しい酒の証。

この旅の完結の地、渋谷に赴く。人混みに目眩がする。いつきても変わらない。

自分会議で、二回目と三回目の公演を観劇することに、予定を微変更。
なぜなら、ある踊り子さんによると、ストリップにはリハはないらしい。
そして、まだ一回目はまだ体が固いとのこと。しかし、リハなしとはすごいライブだ。
より完成度の高いステージを観たいから、これからはデーゲームからナイター派に転向だ。

それまでは、ポラロイドカメラで街撮り。ポラロイドは、直感ですぐに作品となるところ、
そしてカメラの色の解釈が好き。ぼやけた淡い古物みたいな丸い感じが優しい。

そして、ストリップにはポラロイドショーという撮影タイムがある。
驚いたのが、東京ではデジカメプリントが主流になっていた。
ポラロイドの方が絶対に風情があると思う。ほんとに。
しかし、僕の人生はポラロイドに人並み以上に縁があるなあ。

そして、劇場すぐの噂に名高い名曲喫茶ライオンへ。圧倒される。
身の丈を越すオーディオシステム。曲紹介のアナウンス。進行プログラム。
もはや喫茶店でない。なんか別格の存在。建物の雰囲気も最高。
トイレ内のアナログTwitter(便所の落書き)が、思想バリバリで歴史を感じさせる。

腹ごしらえして、ビール買って、劇場に突入した。



劇場に潜入。
劇場は踊り子さんのプロダクションも兼ねていることが多い。
そして、この劇場の踊り子さんのステージに、僕はなぜか惹かれることが多い。
ただの偶然か、その謎はまだ解明できていない。でも、まだ3人。
あと一人現れたら、必然とみなし調査を開始しよう。
音楽でいうと好きなレーベルですね。

劇場内へ。まずは一階ロビー。ロビーが広い。お酒のラインナップがまたすごい。
ベルギービール、純米酒、日本の地ビールまである。
こんな劇場はじめて。快適に観劇できる気遣いを感じる。

ステージは地下一階。階段では、応援さんがステージに投げかける、リボンを巻いている。
観客が、ステージに参加できるのが、ストリップの大きな特徴のひとつか。
リボンさんの他にタンバリンさんがおられる。

そして、ステージへ。二回目の公演がまさに始まったところだった。

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.5

山谷の純喫茶エールにて、昨日を想起す。

池袋の小屋にて観劇。
特別な踊り子さんの特別な演目、「梅と鶯」との再会。

梅の木をモチーフにした絢爛な着物での優美な日舞から、
鶯を模した衣装での軽やかな舞につなぐ。

柔和な身体動作、情感のある表情が心のデリケートな部分に触れる。
まるで音楽のフレーズのよう。
身体動作でも、このような感情が去来する。
ストリップにより開拓された僕の感覚の新たな地平。

ストリップは脱衣舞。でも脱ぐ前から勝負は決まっている。
自分にとっての名作は最初の段階から、世界に私を引きずり込む。
音楽と同じなんだ。

AメロBメロときてサビへ。ベットショー。薄い衣装を一枚まとい、
盆やデベソと呼ばれるステージから突き出した領域に寝そべり艶かしく
身体をくねらせる。
そして、クライマックスは、盆における自慰行為。
感情がこぼれおちてくるような名演技。表情、喘ぎ声、音楽と照明が
一体となり、美しいひとつの作品と化す。

以前、かぶりつきで観た時は、その世界が被さってきて、
圧倒され、魅入られた。
何かがこみ上げてきて泣きそうになった。
もはや肉欲など微塵も感じなくて。
情があるエロスは感動するのだ。これもストリップに気づかされた。
生きる行為の最たるものだからかな。

かつてスターと呼ばれた踊り子さんは、オナニーベットに秀でていたらしい。
オナニーベットはストリップの真髄なのかもしれない。

また、かぶりつきで、かぶりついて、その世界をかぶりたい。
でも、かぶりつきは本当に危険。
でも、かぶりつきでないと、もう満足できない。

これで、計6回観たことになる。名作は何度みてもよいものだ。
でも、六感で感じる(嗅覚、味覚、触覚までも!)ストリップは現代の技術では記録できない。
1回のライブで1曲しかやらない。新作も作る。東京の方。多分もう一生観れないだろう。

あんなに観たのに、脳内に残るのはイメージの断片のみ。儚い夢のよう。
音楽だったら何度も聞いて、自分の頭にその世界を構築して脳内で再生できるようにまでなる。
それができないのが哀しい。

旅は終焉に向う。徐々に寂しさがまとわりついてくる。
怒涛の3連ストリップ。ファイナルは渋谷の道頓堀劇場へ。



池袋の小屋を発ち、西荻窪へ。カルロス氏による酒場案内アゲイン。
ありがたい。憧れつづけた中央線沿線。

続々登場する素敵な酒場と魅力的な人物。杯を重ねることに、脳の記録機能が停止していく。
ほとんど何も覚えていない迷惑行為がなかったか不安を覚える。
でも、勝手ながら、楽しい夢のような空気感は残ってる。

いたるところで、ストリップの広報活動をしてたような。
隣の英国人に英国ブリストルのRachael Daddさんの音楽の素晴らしさを、
酔壊れ英会話で力説したような。

以前ストリップ映画特集を企画した映画館で、
頼みこんでそのチラシをいただいた。
これは覚えてる。素敵なスタッフの方、ありがとう。

いずれも、頭で考えてやったことじゃない。
それだけに自分で自分の頭を疑う。
ヒト心、一皮むけば 奥深し。

帰りの電車で脳の機能が復旧し始める。
前にいる兄ちゃん二人と話す。酔人の直感、こいつら話せると。

なんとか宿のある駅にたどり着く。真っ直ぐ歩けない。こすりこすり歩く。
しばらく彷徨いたい気分、飲みの上塗りしたい気分。
ドヤ街の深部まで酒を求め歩く。
でも、店は全閉まり。

ここで、初の職務質問にあう。客観視して、まあ当然か。
酔いとは恐ろしく、お上に緩くだけど絡む。
何でも調べてください。どうぞどうぞ。
免許証見せただけで、僕の何がわかるんですか?

職務質問は誰も幸せにしないのではないかと思った。
コンセプトに賛同できない。

でも末端の組織員に言っても仕方ない。
自分の意識だけじゃないから。組織の意思。
複雑で見えない意思。会社でもそうやし。

宿に戻る途中で酒場の自販機で酒をあおる。
するとドヤ街の軽々しく触れてはならない光景が真横に現れた。
山谷のブルース。
ブルースには詳しくないが、おそらくこれが真のブルースなのだろう。
惹かれるけど話しかける資格は僕にはない。
できるのはただ空気を感じることだけだ。

宿に戻り、数秒でダウン。オーバーオールでご就寝。

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.4

東京のドヤ街、山谷の宿にて、昨日を想起する。

西川口の小屋に進路をとる。そして、西川口着。
一見。普通に暮らすための街。京都でいうと西院かな。
こんなとこに小屋あるんか?

あった。こじんまりとした箱。キャパ50人くらい。
上階が社交ダンス教室。因果です。

ゴールデンウィーク特別興行で、大入り。立ち見続出。
こんな湧いてるスト小屋初めて。上諏訪は4人だったし。
常連客曰く、レアな現象らしい。

根城の大阪の小屋が摘発くらい、観劇機会を逸してた、踊り子さんが3人出演。
これも何かの縁。

開演前のBGMに聞き入る。選曲にこだわりを感じる。
とあるストリップソングが気になった。
去り際に店の方に尋ねると「鶯谷ミュージックホール」という曲。
往年のストリップを知れる名曲。

http://www.youtube.com/watch?v=tisO9MXJgt4

いよいよ開演。トップステージの踊り子さん、
なんでかマイク持ってはる。開演挨拶かな。違った。
なんと、歌う踊り子らしい。驚愕。脳汁飛び出る。

歌謡ショーとJAZZとストリップの融合。

写真撮影の時に伺うと、歌う踊り子、昔はよくあったスタイルとか。

シンガーソングライター踊り子もいたらしいし、音楽系ストリップ、いいなあ。

一度生バンドで観たいな。摘発あれば、バンドも捕まるけど。

なんでもありの懐の深さがストリップの魅力のひとつ。
常々ストリップはカレーだと思う。カレースパイスを入れれば、大概なんでもカレーになる。
同様に、最後に脱げば、なんでもストリップになる。自由度が高いからこそ、個性が現れるし奥深い。
ひとりひとりほんとに違うもの。

さらに奥深くさせているのが、往々にして、同じ踊り子さんでも、演目ごとの飛距離がでかいこと。

この踊り子さん、次のステージはハンバーガー店員のコスプレで、
トレーに載せたバリューセット持って、明るく可愛く踊ってはった。

ノーマークだったけど、今回でファンになった。音楽で言うと、対バンも良かった感じ。
また、巡り会いたいものです。

◯セットリスト

1.ラストダンスは私に(青森方言バージョン)
2.You would be so nice to come home to
3.御開帳(ベットショー)



夜は東のドヤ街、山谷にて。超一級呑み師、カルロス氏と氏の酒友、Tさんによる東京酒場指南。

ひとり旅の孤独、ストリップ観劇の孤独(ほんとつらくなることがある。6時間てすから。)
ダブルパンチ状態の私を救済していただく。

素晴らしい酒場、人。酒気を帯びるごとに、脳細胞が歓喜していく。
理想とする酒空間の中に私はいた。

隣席の人を巻き込んでのストリップ話が印象に残る。
昭和、ストリップが今より元気だった時代。
昭和を生きた多くの人の記憶の中にストリップは潜む。今回、それが確信に変わった。
これから、酒場でそれをほじくっていけたらいいな。

2件目は山谷のスナック。スナック初体験。
中国人の素敵な女の子が横についてくれる。自然な程よい優しさが嬉しい。
酒で丸裸になった心に、その子の歌が染みる。ちょっと泣きそうになった。

僕も歌った。
スーパーバタードッグの「サヨナラcolor」。山谷の夜に似合っただろうか。

キャバクラとか知らないけど、スナックって情があるなと思った。
店にとっては毎日のことかもしれないけど、僕にとっては、掛け替えのない夜となった。
記憶の引き出しの大切なところに入れよう。

そして、朝を迎える。




酒場の会話。何を話しただけでなく、どんな心持ちで話し、聞くかがとても大切だなと思った。
ほんと音楽的な会話。
だから、次の日、記憶が細切れでも、気持ちが残ってれば、いいなと思えるようになってきた。

お二方、最高の酒でした。
ありがとうございました!
最大級の感謝を!

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.3

上諏訪から高速バスで、新宿に着。確かに街全体が暗い。
コンビニ看板は火が消え、パチンコ店は省エネ営業であることを示してる。


この日の宿、歌舞伎町カプセルホテルにイン。
荷物置いて、夜の歌舞伎町を練り歩く。必然的にポン引きとの百人組手が発生。
歩くだけで精神力が削られる。警戒心のつまみがフルになり、伏し目がちになる。
まだまだ修行が足らない。


一人だけ、意表を突くイントロを弾くポン引きさんに、笑いそうになる。
ユーモアってすごい。一瞬、警戒が解け心が緩む。
でも、ごめん。乳首ハンティングの予定はありません。


去年の12月と比べ、ポン引きの助っ人外国人がかなり減っていた。
彼らのお上を恐れない、体当たり的なプレーは脅威だ。
今夜は、まだ分がいい。


この界隈はギラギラ明るいなあ。


歌舞伎町にも3件のストリップ小屋がある。
こうやって、街を歩き、外から眺めると、性風俗店として違和感なくなじんでる。


でも、ストリップ小屋に入り、感覚をすませれば本質的に異なることに気づく。
性風俗の要素は確かにあるけど、芸術性、技のウェイトが高く、情が通っていて夢がある。
僕にとってはライブハウスのようなもの。


でも、ストリップを標榜していても、性風俗方面に傾斜した業務形態もあるのも事実。
同じ小屋でも定期的に切り替えることもある。これらは似て非なるもの。
良いとか悪いとか言ってるのではなく、ただ違うだけ。


でも、本質的に異なるものに同じ呼称が与えられているのは問題だと思う。
しかし、表面を遠巻きに眺めるとそれらは似通っている。だから難しい。


その点、音楽のジャンル分けはすごい。今思って、感心してしまった。
フォークなどの外見的な分類から、アシッドフォークなどの精神面の分類もできている。発明品だ。


ストリップでもうまく分類し、認識できれば、摘発もなくなるのかな。
ほんとに平和で悪の要素なんてないもの。


でも、このままでもいいような気がする。なくなってしまうものだから。
良いか悪いかなんて、分からなくなる。


音楽は人間がいる限りなくならないけど、今のストリップは近未来になくなるんだろうな。
だから、今行かねば。レコードのように記録もできないから。


朝の歌舞伎町散歩。
昨夜、街を包んでいた火はまだくすぶっていて、ポン引きさんが呼びかけてくる。
すごいな。この街。



ストリップ劇場前には開演を待つ、常連客が佇んでいる。


新宿ゴールデン街で、街娼のような、老婆から声掛けあり。


ここでは、おはようございます。っていつ言うんだろう。



ストリップともゆかりのある新宿のBERGにてモーニング。
コストパフォーマンス最高。美味です。


色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.2

上諏訪駅到着。宿で旅装を解き、街を練り歩く。
上諏訪温泉の街並みは、あまり更新されておらず、昭和感が色濃く残っている。

駅前の百貨店の感じなんて、まさにそう。エスカレーターの動く感じとか。なにか違う。
うまく説明できないけど。

さて、温泉、地酒、ストリップの温泉街における私的黄金スリーコード。

まずは、温泉。近くの公共温泉におもむく。入浴料250円。安い。昭和ブライス。
木製のロッカー、ドライヤーさえない最小限の設備。そして、お湯が激しく暑かった。
こじんまりとしたお風呂空間で、地元の絶倫おじいちゃんとワケあり旅人のコンビと談笑。
この二人、即席コンビなのに仲睦まじい。

さっそくいじられ、なんで京都から1人でこんなとこ来るん?!から、話が始まり、
昔話、下ネタで場に一輪の花が咲く。

素敵なコミュニケーションができた。幸先いい。




お次は地酒。
上諏訪駅から歩いてすぐ、5軒の酒蔵が密集している。

その内のひとつ、舞姫酒造。
まさに、この旅を象徴する名称。祝い酒として購入。
名前も素敵だけど、とても美味でした。




そもそも、上諏訪に興味を抱いたのは、京都の酒屋で、舞姫をジャケ買いしたのがきっかけ。
近くにスト小屋あるし!できすぎ!と一人でこころの内圧上げたのが懐かしい。
この関係はきっと偶然だけど、それが行動意欲のメーターを一気に上げたのは事実。
こういう感覚は大事にしたい。そう感じたならそれでいいんだと思う。
勘違いでも大いにけっこう。意味は後から別のところにやってくる。
とにかく、実現できて嬉しい。

他には真澄、横笛という銘柄の純米酒が心をうった。
米の甘みが丸くあって、優しくてソフトタッチ、地味だけど偏りがなくて、真ん中な感じに惹かれた。
優しくしてもらってる気がする。
きっと、自分の性格にもあっているんだと思う。

居酒屋で軽く飲み、いよいよストリップ小屋に潜入。




テケツで代金を払い入場。
開演まで時間があるので劇場を観察。奥の扉を開け、ステージに入る。
ザ昭和な感じ、時の作用によって色褪せ丸くなった淡い空間。
中央に突き出た舞台形状はストリップ特有のものだ。
でも劇場によって趣きはずいぶん異なる。面白い。

壁面には所属の踊り子さんのポスター、紹介記事がびっしりと貼り付けられている。

先ほどテケツでもぎってた方がお客さんと談笑しているので、私も加わる。
かつてないアットホーム感。この方が支配人さん。
所属の踊り子さんについて話す様子はまるで親のよう。情がある。
ストリップ界の重要人物らしく、もっと会話がしたかった。

他に従業員はおらず照明、アナウンスまで一人でやるので、
その間は踊り子さんがヘルプでテケツに入るようだ。

お客は私を含め4名。かつてない隣がすーすーする感じ。
一抹の不安を感じていると、照明が落ち開演となった。

踊り子さんは3名、
4ステージを回す。

いつも思うのだが、音楽ライブに慣れた僕にとって、ストリップはブッキングにジャンルの一貫性がない。

それがかつてないほど、逸脱していた。フォークのライブに行ったら、
メタルバンドが出てきたくらいの隔たり。ほんとに。
脳みその切り替えが遅い僕は、目眩がした。

本でしか読んだことがない昭和ストリップが合間に挟まってた。絶滅したと思ってた。
これほんと書きたいけど、ピンク指数高すぎて、書いていいのかわからないので、置いておきます。
でも、これがこの日のハイライト。

良いとか悪いとか超えて、衝撃を受けた。昭和を感じた。

追伸:
諏訪フランス座は2011/8末をもって閉館された。
長い長い歴史の終の時期に滑り込めてよかったと思う。
でも、もう一度くらい足を運びたかった。

あの時に、タッチショーをされていた踊り子さん。
あれから時間が過ぎたけど、なぜか色濃く心に残っている。
日常の思考と思考のスキマにふと去来したりする。
あれは楽しい時間だった。
でも、あの時は緊張が過ぎてリアルタイムに感じれなかった。
またどこかで巡り会いたいと願ってる。

ストリップ観劇歴1年未満。
劇場は毎年消えていくし、踊り子さんも引退されていく。
この時期のストリップの世界で起こることに関しては、機会を逸したら
次はないのかもしれない。
私はそういう時期にストリップの世界に入り込んだのかもしれない。
劇場のこと、香盤のことから、少しでも行きたい気持ちが
喚起されたのなら行ったほうがいい。
行くか行かないか迷うくらいだったら行こうと思う。
意味とかは後から考えればいいと思う。

ストリップは記録が難しい世界だと思うのでなおさらそう感じる。
自分の足で劇場に向かい、自分の感覚でつかまないと。

未来についてのほとんどは何も断言できないけど、
これについてはかなりの確率で後悔することは断言できるから。
逃せば一生会えない。

色褪せた桃色施設を巡る旅 vol.1

連休を利用し色褪せた桃色施設を巡る旅へ。
まずは長野県の上諏訪温泉に向かう。

ここでの目的は温泉と地酒とストリップ。
スリーコードのような、調和のある魅惑の連なり。
しかも、偶然にも舞姫という酒蔵もある。

上諏訪の小屋はストリップ界の重要人物が運営しているらしく、
こちらも一筋縄でいかない感じだ。噂では昭和のストリップ全盛期の
出し物も生き残っているとか。
これはしめてかからんと。

外観も昭和感あるらしく楽しみ。
昭和の残り香を胸一杯に吸いたい。